【環境科学科で取得できる資格 02】石綿作業主任者

 麻布大学 環境科学科は、環境に関係する資格が最も多く取得できる大学です。ただ、環境の資格を取って何ができるのか、どんな就職に有利なのかがイマイチ分かり難いと思います。

 このシリーズでは、環境科学科で取れる資格の内容を詳しく紹介していきます。2回目に紹介する資格は「石綿作業主任者」です。


第1回:第一種衛生管理者

第3回:特定化学物質作業主任者

第4回:有機溶剤作業主任者

第5回:食品衛生管理者

環境科学科で取れる資格の一覧はこちらから


【石綿とは?】

 石綿 (アスベスト) は、天然に産出される繊維状の鉱物です。アスベストは非常に丈夫で、熱や酸・アルカリにも強い性質をもつことから、かつては建材や自動車部品等、様々な用途に使用されてきました。

古い建物の解体時に発生するアスベスト (左)


 しかし、アスベストを吸い込んでしまうと、肺の組織に15~40年程度潜伏した後、肺がんや悪性腫瘍などを引き起こすおそれがあります。このため現在では、アスベストの使用や製造・販売は全面的に禁止されています。また2005年には、石綿による健康被害を予防する規制が新たに定められています。



【この資格の職務は?】

 石綿作業主任者は、アスベストが発生する可能性のある現場において、作業従事者が安全に作業を行うための指揮・監督を行います。現在、建築現場などで新たにアスベストを使用することはありませんが、古い建物を解体したり、リフォームしたりする場合には、アスベストが発生する可能性があります。このような現場では、石綿作業主任者を必ず選任しなければなりません。


解体作業の現場では、赤枠のように石綿作業主任者を選任する必要があります


【どうすれば取れるの?】

 石綿作業主任者の資格は、3年次に開講されている「化学物質安全管理学」を履修し、2日間の講習を受講して修了試験を合格すれば取得できます。


【どんな就職に有利?】

この資格を取得すると、建築業の施工管理や住宅リフォーム業などの就職に非常に有利になります。特に今年は、アスベストの法規制が強化されたこともあり、石綿作業主任者の資格は、今まで以上に重要になってきています。