資格 ・進路
資格
環境科学科では、環境に関わる4つの国家資格、5つの任用資格、理科教員免許(高校・中学)、社会調査士の取得が可能です。また、環境計量士(濃度関係)と公害防止管理者等の難関資格の取得を目指せる授業科目も充実しています。これらの資格は環境分野への就職はもちろん、将来のキャリアアップにも役立てることができます。
環境科学科で取得可能な資格一覧
受験資格
◇甲種危険物取扱者(国家資格)
◇化学分析技能士 2級(国家資格)
環境科学科の学びを活かして取得を目指せる資格
◇環境計量士 濃度関係 (国家資格)
◇公害防止管理者
◇土壌汚染調査技術管理者 (国家資格)
◇浄化槽管理士 (国家資格)
◇放射線取扱主任者 (国家資格)
◇エックス線作業主任者 (国家資格)
卒業生の進路
主な進路は、化学物質の検査・評価機関などの環境分析技術職、環境保全のための調査、企画立案、制度設計などを行う環境コンサルティング、環境資源の回収やインフラ管理に携わる環境保全エンジニア、分析機器や水処理装置などを製造する分析装置・機器メーカーで、一部の学生は高校・中学教員や公務員になっています。大学院の進学率は約1割で、年々増加しています。
環境関連の企業は一般消費者向けではなく、企業間取引を行う企業(BtoB企業)が多数です。BtoB企業は一般にはあまり馴染みのない会社が多いですが、いずれも非常に高い実力と実績をもった優良企業です。
進路データ (過去3年分)
卒業生の主な進路
◇公務員
東京都庁、千葉県庁、山梨県庁、相模原市役所、 鶴見区役所
◇環境分析技術者
株式会社オオスミ、株式会社江東微生物研究所、株式会社総合環境分析、環境未来研究所
◇環境コンサルティング
【大気・水・土壌】いであ株式会社、中外テクノス株式会社
【生物調査】アース環境サービス株式会社、イカリ消毒株式会社、株式会社シー・アイ・シー
◇環境保全エンジニア
アイテック株式会社、株式会社クリタス、株式会社 日吉、三友プラントサービス株式会社、株式会社タケエイ
◇分析装置・機器メーカー
三菱ケミカル・アクアソリューションズ株式会社、三浦工業株式会社、ジーエルサイエンス株式会社、平沼産業株式会社、東亜ディーケーケー株式会社
◇建築・土木施行技術者
東京パワーテクノロジー株式会社、大崎電気システムズ株式会社、ケミカルグラウト株式会社、管清工業株式会社
◇システムエンジニア
東京エレクトロン デバイス株式会社、株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ、日本情報通信株式会社
◇高等学校・中学校教員
岩谷学園高等専修学校、学校法人立花学園高等学校、成蹊中学・高等学校
◇大学院進学
麻布大学大学院、京都大学大学院、琉球大学大学院、大阪府立大学大学院、大阪市大大学大学院
卒業生の声
公務員
(相模原市役所) 宮田舞さん
環境科学科を選んだきっかけは、ふたつの修学旅行にあります。小学生のときに訪れた足尾銅山では、煙害で荒廃した山に植樹しました。また、高校生のときに訪れた世界自然遺産の小笠原では、外来種を侵入させないよう靴底を洗浄したのが印象に残っています。
壊れた自然を元に戻す、あるがままに自然を守る、その両方を体験して環境学に興味を持つに至りました。
また、私は麻布大学附属高校にいたため、「地域環境政策研究室」が行う相模原市の休耕田での活動にも参加させていただきました。この体験が、市役所志望へつながっていきました。
大学時代は、環境科学の基礎知識はもちろんのこと、測定方法など実践的なスキルを学びました。これらの学びの多くが、現在、私が担う公害苦情相談を支えています。特に、公害に関する知識(事例や関係法令)は、直接役立っています。
分析装置・機器メーカー
(三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社)宮下翔さん
実家が農家だったことから、大学を選ぶ段階では、農作物にかかわる仕事がしたいと考えていました。植物を育てるためには良い水と十分な養分が欠かせないことは知っていましたが、その具体的な要因は何かを知るため、麻布大学に入学することに決めました。
授業では主に、人間が快適に暮らすための条件や動物と人間が共生するための条件など、地球全体のバランスをとるための学びが中心でした。生き物ごとの生存環境を知らないと整備は行えないので、とても勉強になりました。
きれいな水がある場所ではどういった作物が育つのかを知りたかったこともあり、研究室は「水環境学研究室」を選びました。水処理と水質分析について深く学ぶ中で、その面白さにひかれていきました。大学時代で得た水の処理方法や保存方法などにおける知識や経験は、現在携わる「地下水膜ろ過システム」の保守管理に生かされていると感じます。
(ジーエルサイエンス株式会社) 国枝巧さん
大学では環境分析学研究室に所属し、河川水や海水の分析について研究していました。そのとき研究室に出入りされていたのが現在の会社の方で、その方から業務内容のお話をうかがい、ここでなら自分が大学で学んだ知識を役立てられると考え、就職を希望しました。
水質汚染や大気汚染といった環境分野はもちろん、食品や薬品に含まれる成分の調査、香料の研究開発、シャンプーや石けんの各種試験といった私たちの生活に密接した分野まで、分析にかかわる幅広いサービスを提供することで社会に貢献できるのが、この仕事の魅力です。現在は、分析を希望されるお客さまに対するサポートが主な業務ですが、用途に応じて最適な分析方法などを提案していく仕事に、大きなやりがいを感じています。幅広いお客さまの要望にこたえていくため、常に最新の知識を身につけておく必要がありますが、大学で培った経験を生かして学び続けていきたいです。
環境コンサルティング
(アース環境サービス株式会社) 福田弥生さん
私が麻布大学に入学した当時は「環境保健学部 健康環境科学科」という名称で、その名が示す通り「環境」「保健」「衛生」をキーワードに幅広く学びました。私個人の印象としては、狭く深く追究したというより、いろいろな知識を幅広く吸収できた学科でした。月並みな言葉ではありますが、どの授業もとても興味深く、楽しいものでした。
現在の業務に直接かかわるような知識は会社に入ってから学びましたが、基礎的な部分を大学在学中にしっかり学べたのは、非常に大きなアドバンテージだったと感じています。例えば、今の仕事で微生物のサンプリングを行い、その結果を考察して改善提案書を作成するのですが、もし、何も予備知識がないまま入社し、微生物とは何かというところから勉強し始めていたとしたら、かなり苦労したことでしょう。微生物に関する基礎知識など、大学で学んだ内容は今の業界に通じており、すべてが無駄にはなりませんでした。
教育職
(千葉市中学校教員) 渡邉啓吾さん
大学では「教職課程研究室」に所属していました。入室当初は研究職と教職、2つの将来の選択肢がありました。目標が教職に絞られたのは、相模原市内の学校で「主体的・対話的な深い学び」を意識した授業を見学したことがきっかけです。生徒が互いに教え合う中で、さまざまな視点から物事を捉えようとする姿に私は引き付けられました。生徒の成長を支える教職に魅力を感じた私は、教員採用試験突破に照準を定めました。
教職課程では「理科指導法Ⅱ・Ⅲ」の授業が最も印象に残っています。特に有意義だったのは「模擬授業」。授業の計画や事前準備などにおいて、きめ細やかに教えてくださり、不安が安心に変わりました。この経験が土台となり、実際の現場でも楽しく理科の授業が進められています。