新たな環境教育・研究プログラムが始まりました
2019年度から始動した新たな3つの教育・研究プログラム。現実のフィールドを題材とした教育を充実させ、地球規模の環境課題に対応する分野も強化し、現在の課題だけでなく将来的な課題も解決できる人材の育成を目指します。
環境をもっと身近に楽しむ
地球共生系フィールドワーク教育
植物生態学分野の教員と動物生態学分野などの教員との連携によりフィールドワーク実習を新設し、生態系分野の教育・研究を強化します。山地、緑地、河川などの多様な環境でフィールド調査を行うことにより、学生が環境を五感で体感し、生物多様性について実感を伴った理解を目指します。
企業や行政と連携して実社会の環境課題に挑む
未来の共生科学を拓く地球共生系PBL
学生と、企業・行政などの学外の組織が、協働しながら課題解決に取り組む社会連携型のプロジェクト学習(PBL)を開始しました。大学での学びと実社会での課題をテーマにした学びの融合です。学生は「チーム」でデータ収集やディスカッションを行い、地球共生系における実社会の課題を発見・把握する力と課題解決に取り組む実践力を養います。
1.(株)JR東日本環境アクセスとの取り組み
- JR東日本環境アクセスと連携したプロジェクト学習を実施。駅や列車から排出されるゴミに関する課題を知り、 廃棄物の回収・処理、再資源化の重要性を学びます。
- 未来を担う一人として廃棄物の排出に関わる課題を考え、グループディスカッションや情報収集を通してJR東日本環境アクセスへの課題解決方策の提案に挑みます。
2.アサヒグループHD(株)との取り組み
- 学生達は、アサヒビール(株)とパナソニック(株)が共同開発した植物由来の何度でも使えるエコカップ、 「森のタンブラー」を活用し、私たちの消費行動の見直しやリユース促進の企画立案等を行っています。
- アサヒグループHD(株)をはじめとした複数企業・他大学・行政と連携し、ペットボトルキャップとMINTIA容器を回収、再製品化(アップサイクル)に取り組んでいます
3.ウォータースタンド(株)との取り組み
- 学内でマイタンブラーキャンペーンを実施し、「森のタンブラー」を配布するとともに、学内にウォーターサーバーを設置。学内のペットボトル等の排出削減に取り組んでいます。
- ウォータースタンド(株)・町田市と連携し、芹が谷公園(町田市)でマイボトルOK店の利用促進イベントを実施。地域の使い捨て容器の削減にも産学連携で取り組んでいます。
データサイエンスで気候変動を捉える
気候変動の緩和・適応プラットフォームの構築
人間活動に由来する温室効果ガスの増加は気温上昇を引き起こし、豪雨や干ばつなどの災害増加の一因となるほか、生態系、農業、地域社会、健康などへの様々なリスクが増大すると予測されています。温暖化予測の結果を活用し、データサイエンスの手法を用いて様々な分野での影響評価や、リスクに対する適応・緩和策の考え方を学びます。
図:全球平均で1℃上昇した時の気温変化(観測)と2℃上昇したとき気温変化(予測).(出典:IPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書 政策決定者向け要約 暫定訳(2021、文部科学省及び気象庁) 図SPM.5より転載)
1. キャンパス内で気候変動の観測を実施
(1)生物季節観測
動植物の季節による変化は気候の違いなどを総合的に知る重要な指標です。気象庁での60年以上にわたる観測を引き継いで開始されたモニタリング調査(気象庁・環境省・国立環境研究所)に参加し、サクラの開花と満開、イチョウの黄葉、ヒガンバナの開花などをキャンパスで観察しています。また、本学野鳥研究部の協力を得てキャンパスでの鳥の初鳴きも報告しています。
この取り組みについて、国立環境研究所との共同研究を実施しています。
(2)気象観測
キャンパス内で気温と湿度を自動連続観測しています。温暖化の実態把握の基礎となる気象観測の方法やデータ利用についての学びを深めるとともに、生物季節の観測結果の解析にも活用します。
3. 環境データサイエンス演習の開講
・リンク:授業の様子